桂冠塾

開催内容 桂冠塾【第9回】

『走れメロス』(太宰治)

開催日時 2005年12月24日(土)13:30~15:30
会場

開催。諸々コメント。

今月の桂冠塾で取り上げた書籍は『走れメロス』です。今月は繁忙期で各人時間が取れないため読みきれる短編にしました。私も一気に読みましたが30分で読破できます(*^_^*)
太宰治の短編が収録されている文庫本の多くに収録されています。

小学生の時の課題図書にもよく取りあげられたり教科書にも載っていることがあると思いますので、多くの人が一度は目にしているのではないかと思います。 しかし意外とそのストーリーを正確に再現できる人は少ないのではないか、短編であるがゆえに「全部読んだ」と思い込んでいる人、または小学生の頃に読んだきりで読み返したことがない人がほとんどかな?とも思います。

今回参加したメンバーの記憶も様々でしたが、「走れメロス」のテーマは皆がしっかり受け止めていたように思います。
その意味でも太宰治の表現力は素晴らしいと再認識もしました。
「走れメロス」に一貫して書かれているテーマは、そのまま私たちの現在の生き方に反映されるものではないかと感じています。
「信じる心の力」。
「不信なるものと戦う勇気」。
そしてそれは外なるものとの戦いよりも内なる弱い生命との戦いの方がずっと難しいことを語っているのではないか。

そんなことを強く感じた「走れメロス」です。

物語の感想

太宰治の作品の中では相当前向きな作品といえる『走れメロス』で、一貫して書かれているテーマは、そのまま私たちの現在の生き方に反映されるものではないかと感じています。
「信じる心の力」。
「不信なるものと戦う勇気」。
そしてそれは外なるものとの戦いよりも、内なる弱い生命との戦いの方がずっと難しいことを語っているのではないかと思います。

メロスの前に立ちふさがる試練は、物理的な困難、自然の脅威、他者からの迫害、そしてなによりも大きな苦難は自分自身の己心の誘惑だったように感じます。
最も困難で、しかもどうしても避けて通れないのは、自分自身の生命の闇。
その闇を突き抜けてこそ、真の人間の価値がある。
そんなメッセージを感じる作品です。

物語のプロット

1)暴君ディオニスへのメロスの怒りと行動
2)メロスの諫言・暴君ディオニスとの対話
3)メロスと暴君ディオニスとの約束
4)友・セリヌンティウスを身代わりにたてる
5)セリヌンティウスの快諾
6)メロス・村に戻り妹の結婚式を挙げる
7)メロスが市に向かって走り始める
8)メロスの己心との葛藤(1)
9)嵐によって橋が破壊された川
10)山賊の襲来
11)灼熱の太陽と疲労に倒れこむ
12)メロスの己心との葛藤(2)
13)一口の水と肉体の回復・再びの決意
14)信じる友のために走るメロス
15)セリヌンティウスの弟子フィロストラスのささやき
16)セリヌンティウスの生還
17)メロスとセリヌンティウスの告白
18)暴君ディオニスの改心

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