桂冠塾

開催内容 桂冠塾【第142回】

『あぶない一神教』(橋爪大三郎×佐藤優)

開催日時 2017年2月25日(土) 14:00~17:00
会場 サンライフ練馬 第二和室 西武池袋線中村橋駅・徒歩5分

開催。諸々コメント。

アメリカで選出されたトランプ新大統領が掲げる「アメリカファースト」。いまや世界の各国が自国の利益最優先を堂々と主張する光景は日常になりつつあります。現実の問題として浮き彫りになっているもののひとつが移民問題でありイスラム世界との対立と言われています。
私たち日本人にとって見識が浅く苦手とされてきたのが宗教的素養であり、イスラム世界への理解だとも言われてきました。

本書は「一神教」という視点からイスラム教とキリスト教の本質を解説した対談集です。橋爪大三郎氏と佐藤優氏は共に敬虔なキリスト教徒であり、社会学的考察の造詣が深い識者です。
この両名が世界を代表する2大一神教の共通点と相違点を解説しながら、2つの世界宗教が日本で全く定着していない理由についても考察を展開します。

キリスト教徒23億人
イスラム教徒16億人。
世界の半数以上の人々が信仰する一神教の世界にせまってみたいと思います。
皆様のご参加をお待ちしております。

作品の構成

まえがき
序章 孤立する日本人
 日本人はなぜ国際社会で孤立するのか
 後藤健二さんがシリアに旅立った理由
 なぜ日本人はたくさんの神をつくったのか
 「安保法制」議論は理解不能
第一章 一神教の誕生
 一神教は不寛容なのか
 カリフとは何者か
 モーセは「王」なのか
 イエス・キリストは実在したのか
 キリスト教の実際の開祖
 キリスト教とユダヤ教は何が違うか
 イスラム教に現在はあるのか
 ムハンマドは奇跡を起こしたのか
 ムハンマドの権威をどのように継承するのか
第二章 迷えるイスラム教
 なぜナショナリズムとそりが合わないのか
 イスラム原理主義とは何か
 キリスト教が分裂した背景
 ムスリムはなぜ欧米を憎むのか
 複合アイデンティティとは何か
 アメリカはなぜ個人主義か
 イスラムはなぜ恐れられるのか
 「天皇絶対主義」はソ連が作った?
 「イスラム国」は核を持てばどうなるか
 なぜ死が怖くないのか
 イスラムとの棲み分けは可能か
第三章 キリスト教の限界
 イエス・キリストは「神の子」か
 ユニテリアンとは何か
 ハーバード大学にユニテリアンが多い理由
 サクラメントとは何か
 何がキリスト教信仰を守るのか
 第一次世界大戦という衝撃
 なぜバルトはナチズムに勝ったのか
 皇国史観はバルト神学がモデル?
 アメリカが選ぶのは実証主義か、霊感説か
 無関心の共存は可能か
第四章 一神教と資本主義
 資本主義は偶然生まれたのか
 なぜ人間の論理は発展したのか
 最後の審判を待つ人の心境はビジネスに近い
 十五世紀の教会はまるで暴力団
 隣人が甲是きされたら暴力は許されるのか
 自然は神が作った秩序か
 働くことは罰なのか
 市場経済が成り立つ条件
 神の「視えざる手」とは何か
 なぜイスラムは、経済がだめか
第五章 「未知なるもの」と対話するために
 なぜ日本に一神教は根付かないのか
 外務省HPに「成功」ばかり記される理由
 なぜ日本人は学問が嫌いなのか
 『ビリギャル』体験は誰でもできる
 「ユダヤ陰謀説」を信じるエリート
 反知性主義にはどう抗うべきか
あとがき

作者

橋爪大三郎(はしづめ だいさぶろう、1948年(昭和23年)10月21日 - )
日本の社会学者。東京工業大学名誉教授。元東京工業大学世界文明センター副センター長。
神奈川県出身。開成中学校・高等学校を経て、東京大学文学部社会学科卒業。
東京大学大学院社会学研究科博士課程を単位取得退学してのち、執筆活動を続けるかたわら、言語研究会、小室ゼミナール等に参加。言語を社会現象の根幹に位置づける言語派社会学の構想を展開する。
比較宗教学、現代社会論、現代アジア研究、日本プレ近代思想研究なども手がける。
日本福音ルーテル教会の教会員(信者・クリスチャン)であり、福音ルーテル教会のイベント・講演会でしばしば講師を務めている。

作者

佐藤優(さとう まさる、1960年〈昭和35年〉1月18日 - )
作家、元外務省主任分析官。1960年生まれ。
1985年に同志社大学大学院神学研究科修了後、外務省入省。
在英国日本国大使館、在ロシア連邦日本国大使館に勤務した後、本省国際情報局分析第一課において、主任分析官として対ロシア外交の最前線で活躍。
2002年背任と偽計業務妨害容疑で東京地検特捜部に逮捕され、2005年執行猶予付き有罪判決を受ける。
2009年最高裁で有罪が確定し、外務省を失職。
2005年に発表した『国家の罠 外務省のラスプーチンと呼ばれて』で第59回毎日出版文化賞特別賞受賞。
2006年『自壊する帝国』で第5回新潮ドキュメント賞、第38回大宅壮一ノンフィクション賞受賞。
2016年第10回安吾賞受賞。
他の著書に『獄中記』『同志社大字神学部』『いま生きる「資本論」』『「ズルさ」のすすめ』『プラハの憂鬱』『君たちが知っておくべきこと 未来のエリートとの対話』など多数。

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