開催内容 桂冠塾【第102回】
『魔の山』(トーマスマン)※後半
開催日時 | 2013年10月26日(土) 14:00~17:00 |
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会場 | 勤労福祉会館 和室(小) 西武池袋線大泉学園駅・徒歩3分 |
開催。諸々コメント。
先月に引き続きトーマス・マンの『魔の山』を取り上げます。主人公ハンス・カストルプは想定外であった療養生活を余儀なくされますが入院患者として過ごす国際サナトリウム「ベルクホーフ」で出会った人々、中でもセテムブリーニとナフタとの会話を通じて様々なテーマについて論じていきます。
病気と死、スコラ哲学、精神性の二元論、経済活動と政治、そしてウェルギリウスから神の国と救済の在り方について議論が及ぶと、ナフタは恐怖政治を肯定するに至ります。
激論を戦わすのはセテムブリーニとナフタの2人であり、主人公たるハンスカストルプはただ聞き役に徹しているのも特徴的と言えます。
そんな中、ハンス・カストルプがあまりにも美しい雪に魅せられて純白に輝く雪山に入っていきます。読者にとって強烈な印象が残るシーンの一つだと思います。
そして物語の最終局面に至って第一次世界大戦が勃発します。
「魔の山」を降りて戦場へと向かうハンス・カストルプの胸中にはどのような思いが去来していたのでしょうか。
とかく難解とも書評される作品でもありますが、愛読書としていた世代の方も多くおられたと聞きます。今年公開されたジブリ映画『風立ちぬ』の中で軽井沢のホテルに滞在しているドイツ人の名前が「カストロプ」であり、彼の口から「魔の山」の言葉が発せられていることからも、監督の宮崎駿氏や原作者である堀辰雄氏がトーマス・マンの『魔の山』を重要視していることが推察されます。
どんな思いで読み継がれてきたのか、様々と思いが巡ります。
作品の章立て ※下巻
第六章 移り変りその上もうひとり
神の国と悪しき救済について
激怒、そしてなんともやりきれないこと
ほうほうの体で
「精神錬成」
雪
「勇敢な軍人として」
第七章 海辺の散歩
メインヘール・ペーペルコルン
ツゥエンティー・ワン
メインヘール・ペーペルコルン(続き)
メインヘール・ペーペルコルン(おわり)
巨大な鈍感
妙音の饗宴
ひどくいかがわしいこと
立腹病
霹靂