桂冠塾

開催内容 桂冠塾【第110回】

『とんび』(重松清)

開催日時 2014年6月28日(土) 14:00~17:00
会場 勤労福祉会館 和室(小)
西武池袋線大泉学園駅・徒歩3分

開催。諸々コメント。

『とんび』は、重松清による日本の小説。2003年10月から2004年7月にかけて『中日新聞』と『東京新聞』『北陸中日新聞』(いずれも中日新聞社発行)および『北海道新聞』『西日本新聞』『神戸新聞』にて連載。
広島県を舞台に、妻を失った父親が息子の反抗期や学校でのトラブル、受験、自立、意外な女性との結婚など様々な困難に直面し、不器用に戸惑い、悩みながらも息子の幸せを第一に考え、周囲の支えを受けながら男手一つで息子を育てた父の半生と親子の絆を描いた作品。
同名でテレビドラマ化され、NHK総合テレビで2012年1月7日(前編)と1月14日(後編)に放送され、TBSでも連続ドラマとして2013年1月13日から3月17日まで放送された。いずれのドラマ化作品もテレビドラマ関連の賞を受賞しています。

物語のあらすじ

舞台は瀬戸内海に面した広島県備後市。備後市は重松氏の創作で架空の町です。瀬戸内海に面した人口20万人程の工業都市となっています。
主人公は市川安男。通称ヤスさん。
高度経済成長時代の1962年(昭和37年)。
トラックの運転手をしているヤスさんが、最愛の妻美佐子さんと結婚して3年目に生活態度が激変するシーンから物語は始まります。
運送会社に勤務する28歳のヤスは愛妻美佐子さんが子供を懐妊したことがわかり、それまでのでたらめでぐうたらな男が一転がむしゃらに仕事をし始めます。
わかりやすい単純な父親の姿そのものです。
今風にいえば典型的な昭和のオヤジとなるのでしょう。
そして息子・アキラが誕生し、生涯最高の喜びに浸っていました。
しかし親子三人の満ち足りた生活は長くは続きません。 美佐子とともにアキラの成長を見守り、幸せな日々を過ごしていたが、ある日、ヤスが連れて行った仕事場でアキラを庇った美佐子が事故死してしまう。
残された父と息子。
二人を暖かくも厳しく見守り続ける大人達。
ヤスはその日から幼くして父親に捨てられた悲しみと美佐子を亡くした後悔を乗り越えながら、アキラを不器用ながら真っ直ぐに育てていく。

主な登場人物

市川 安男 本作品の主人公。1934年(昭和9年)、広島県備後市生まれ。旧姓:島野。通称・ヤス。島野家の一人息子として生まれた。実母は出産直後体調不良で亡くなり、実父は別の女性と再婚し音信が途絶えてしまう。その後実母の兄である市川夫妻に引き取られ「島野」から「市川」に。某工業高校卒業後、運送会社に就職。1959年(昭和34年)、美佐子と結婚し、3年後の1962年(昭和37年)に長男・旭(アキラ)が誕生し1児の父親となる。いい加減で不器用、照れ屋で酒と煙草が好き。妻・美佐子が事故で亡くなってから、父子2人家族で不器用ながらもアキラを優しく真っ直ぐに育てる。

市川 美佐子 安男の妻。1936年(昭和11年)生まれ。1945年(昭和20年)、疎開中だった9歳の時、同年8月6日に広島市に原爆が投下され、家族を失い戦災孤児になる。その後、岡山、四国の親戚の家へ次々と移り住み、1959年(昭和34年)安男と結婚しアキラを出産。1966年(昭和41年)夏頃、2ヵ月後に4歳になるアキラを庇って木箱の下敷きになり死亡する。

市川 旭(アキラ) 安男・美佐子夫妻の長男。1962年(昭和37年)10月生まれ。予定よりも早く生まれたため、2700g足らずであった。名前の由来は小林旭の旭から。もし女であれば吉永小百合の小百合の予定であった。母が死んだ本当の理由は知らぬまま育つが、不器用な父親と周りの人々の愛情を受け、「とんびが鷹を生んだ」と称されるほど優秀でまっすぐな青年に成長していく。学力に長けており、高校卒業後は地元を離れ早稲田大学法学部に進学する。

たえ子(小料理屋の女将)
照雲(住職)
葛原(ヤスの仕事仲間)
萩本(瀬戸内通運課長)
海雲(照雲の父)
泰子(たえ子の娘)
幸恵(照雲の妻)
島野昭之(ヤスの異母弟)
由美(アキラの妻)
健介(由美の連れ子)

章立て

ヤスさんの祝杯
家族三人
暗転
海に降る雪
ふたばの季節
秘すれば、花
ゲンコツ
カウントダウン
もくもく
ヤスさんの上京
由美さん
ふるさと

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