桂冠塾

開催内容 桂冠塾【第126回】

『なぜ戦争は伝わりやすく平和は伝わりにくいのか』(伊藤剛)

開催日時 2015年10月24日(土) 14:00~17:00
会場 サンライフ練馬 第二和室 西武池袋線中村橋駅・徒歩5分

開催の案内

著者の伊藤剛さんは東京外語大学・大学院総合国際学研究科の「平和構築・紛争予防専修コース」で講師を務め、独自の視点から「ピース・コミュニケーション」を提唱する異色の人物です。
デザインコンサルティング会社の経営者でグッドデザイン賞等も受賞しているデザイナーでもあります。
伊藤剛さんはコミュニケーションの視点から「戦争を始めるのは大抵は権力者であるが、戦争を拡大していくのは私たち大衆の心理の影響も大きい」と言う。
本書では、権力者による戦争シナリオの作られ方から始まり、偏向ニュースのつくられ方、群衆マインドのあらわれ方に言及する。
群衆マインドとしては「群衆化」「同一化」「衝動化」「過激化」など興味深い視点が提起されている。

そして特に際立っているのが「平和教育」についてである。
そもそも平和を教育すると言うことはどういうことなのか?
本源的な問いかけを投げかけながら戦後71年目からの宿題を掲げて本書を締めくくっている。
とかく空理空論にもなりがちな平和について、自身の身近に引き戻して考える一書として共々に読み進めたいと思います。

作品の章立て

序章 コミュニケーションから考える「戦争」と「平和」
第1節 「戦争と平和」の捉え方
第2節 「言葉」の捉え方
第3節 「コミュニケーション」の捉え方

第一部 戦争のキモチをつくる――三位一体モデル
第1章 「権力者」の法則――戦争シナリオのつくられ方
第1節 「現代の戦争シナリオ」のつくられ方
第2節 「権力者の戦争シナリオ」のつくられ方
第3節 「権力者とメディア」の戦争
第4節 「国際メディア情報戦」という名の戦争

第2章 「メディア」の構造――偏向ニュースのつくられ方
第1節 「つくり手」から見たメディア
第2節 「権力者」から見たメディア
第3節 「企業」としてのメディア
第4節 メディアは「忖度」する

第3章 「大衆」の心理――群衆マインドのあらわれ方
第1節 メディアによる「影響」
第2節 「説得心理」の傾向
第3節 「群衆化」する心理
Q1 なぜ私たちは「同一化」するのか?
Q2 なぜ私たちは「衝動化」するのか?
Q3 なぜ私たちは「過激化」するのか?

第二部 平和のココロをつくる――戦後71年目からの「問い」
第4章 これからの「平和教育」を考える
Q1 そもそも「平和を教育する」とはどういうことか?
Q2 なぜ「戦争体験者」だけに話を聞いてきたのか?
Q3 私たちの「戦争イメージ」は正しいのか?

第5章 戦後71年目からの宿題
Q1 「正義」か「戦争」か?
Q2 「正義」か「反戦」か?
Q3 「戦争経済」か「平和産業」か?

作者

伊藤剛(いとうたけし 1975年 - )
1975年生まれ。明治大学法学部を卒業後、外資系広告代理店を経て、2001年にデザイン・コンサルティング会社「asobot(アソボット)」を設立。
主な仕事として、04年にジャーナル・タブロイド誌「GENERATION TIMES」を創刊。
06年にはNPO法人『シブヤ大学』を設立し、グッドデザイン賞2007(新領域デザイン部門)を受賞する。また、東京外国語大学・大学院総合国際学研究科の「平和構築・紛争予防専修コース」では講師を務め、広報・PR等のコミュニケーション戦略の視点から平和構築を考えるカリキュラム「ピース・コミュニケーション」を提唱している。
これまで企画、編集した書籍に『earth code-46億年のプロローグ』『survival ism-70億人の生存意志』(いずれもダイヤモンド社)、『被災地デイズ』(弘文堂)がある。

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