開催内容 桂冠塾【第162回】
はじめに
本書は日本におけるユング派心理学の第一人者である河合隼雄氏の代表作の一つ。体系的な本ではなく、日々の診療や生活の中で感じた折々の出来事に触れて書かれたであろうエッセー集である。
『新刊ニュース』に1988年2月号から1991年12月号に連載されたものに10章ほど書き加えて、平成4年1月に新潮社から発刊されている。
現在(2024年9月)から見ると30年余り前のエッセーであり、時代を感じる箇所もなくもない。
時代を経た今だから、改めて読んでみるのも意味があるように思うのである。
作者:河合隼雄(かわいはやお)
1928年(昭和3年)6月23日生まれ。2007年(平成19年)7月19日逝去。臨床心理学者。心理療法士。教育学博士(京都大学)。京都大学名誉教授、国際日本文化研究センター名誉教授。
文化功労者。元文化庁長官。国行政改革会議委員。日本におけるユング派心理学の第一人者。
兵庫県多紀郡篠山町(現:丹波篠山市)生まれ。
日本人として初めてユング研究所にてユング派分析家の資格を取得し、日本における分析心理学の普及実践に貢献した。
1988年に日本臨床心理士資格認定協会を設立し臨床心理士の資格整備に貢献した。
刻々と変化する「こころ」の問題
実は桂冠塾で『こころの処方箋』を取り上げるのは初めてではない。2011年5月21日(土)の第73回のテーマになっているので2回目である。
桂冠塾で再掲もやっていいかなと思っていたので奇しくも本作品がその流れの最初になった。
13年4ケ月ぶりの再読ということになったが、私自身の読後感はかなり変わっていた。
これがエッセーというジャンル作品の特徴だろうかとも思う。
また臨床心理学など心の問題についての自分自身の受け止め方の変化も大きいと感じる。
自分にとっても波乱万丈の時代でもある。様々な経験を経て、心の琴線にふれるもの、その触れ方が相当に変わっているのだと。


